MAXQDAプロジェクトのコピーとエクスポート

プロジェクトファイルのバックアップやコピー手順は基本的なことですがよく質問されます。プロジェクトファイルが大きくなるに従って、一部の文書やコードでサブセットをつくりたいというご相談もいただきます。
そこで今回は、コピーを作る方法と、互換ファイルを介する方法を紹介します。

互換ファイルを解する方法は、複数人で作業する際にもよく使われます。プロジェクを互換ファイルとしてエクスポート→互換ファイルのインポート/マージという手順の概要を理解しておくと便利かもしれません。
MAXQDAでは複数人で作業のためのプロジェクトの扱い方を、場面に応じていくつか提供しています。開発元のマニュアルを参照するなどして、目的に応じた方法を選択するようにしてください。
MAXQDA 2022 Manual – Teamwork

プロジェクトをコピーする

他のソフトで[名前をつけて保存][別名で保存]のように単純にコピーを作成する機能です。例えば、クラウド上のフォルダやフラッシュメモリにバックアップのためのコピーを保存したい時などに使用します。

  • こんな時に使用します:
    • バックアップや作業用ファイルとしてコピーを作成したい
    • 他の人と共有するためのファイルを作成したい
    • MAXQDA以外のQDAソフトユーザーとプロジェクトを共有したい など

メニュー[ホーム]→[プロジェクトを保存する]


保存する場所とファイル名を指定します。コピー保存の際には以下のいずれかを選択できます。

  • MAXQDA 2022ファイル
  • MAXQDA 2020ファイル(一つ前のバージョンユーザーとも共有できます)
  • REFI-QDAプロジェクトファイル(別のQDAソフトユーザーと共有できます)
    参考: The REFI-QDA Standard

*注意*
MAXQDAのプロジェクトファイルはクラウドと同期していないローカルディスクのフォルダに保存して使用してください。
バックアップや受け渡しのためにクラウドやフラッシュメモリに保存した場合も、ローカルディスクに保存した上で開いてください。クラウドと同期するフォルダやフラッシュメモリから使用すると、プロジェクトファイルが破損する危険性がありますので、ご注意ください。

アクティブ化した文書だけをコピーする

簡単にサブセットを作成できる方法で、プロジェクト中の一部の文書だけを含むコピーを作成します。例えばサンプルプロジェクトで「インタビュー – インディアナ」のトランスクリプトだけを抜き出したプロジェクトを簡単に作成できます。ただし、後述する方法とは異なり、コードは全てコピーされます。

  • こんな時に使用します:
    • プロジェクトの一部の文書だけを含むサブセットを作成する
      (ただしコードは全てコピーされ、取捨選択はできない)

コピーに含めたい文書をアクティブ化→ホーム[アクティブ化された文書からのプロジェクト]。


プロジェクト名と保存場所を指定して[保存]。コピーを開いて使用するかの確認ウィンドウが表示されたら[はい]を選択。


以下は作成したコピーの文書システムとコードシステムです。文書システムにはアクティブ化されていた文書のみが含まれています。コードは、コード付きセグメントの有無にかかわらず全てコピーされています。例えば、元のプロジェクトで動画にのみ使用されていたコードもそのまま残っていますが、動画文書はコピーされていないので何も割り当てられていません。

プロジェクトをエクスポート → 別のプロジェクトとして使用

プロジェクトファイルを単純にコピーするのではなく、アイテム(文書・コードなど)を選択し、互換ファイルとしてエクスポートします。前述のアクティブ化した文書からのプロジェクト作成と異なり、文書だけでなく、コードも取捨選択できます。

  1. アイテムを選択して(または全てのアイテムを選択して)互換ファイルをエクスポート
  2. 新規または、既存のプロジェクトに互換ファイルをインポート

することで、別のプロジェクトファイルとして使用できます。

  • こんな時に使用します:
    • プロジェクトの一部の文書とコードのサブセットを作成して別のアプローチで分析する
    • チームリサーチでそれぞれが行ったコーディングを一つのプロジェクトに統合する など

互換ファイルのエクスポート

ホーム→[チーム作業]→〔チームワークをエクスポートする/エクスポートデータを互換ファイルへ]


エクスポートする文書にチェックを入れて選択します。あらかじめアクティブ化しておき、右上の[アクティブ化した文書]ボタンを使用すると便利です。選択を終えたら[次へ]。


エクスポートするコードを選択します。文書と同様に右上の[アクティブ化されたコード]ボタンが使えます。選択を終えたら[次へ]。


フォルダを指定して[保存]。


エクスポートが完了しました。エクスポートデータのファイルは拡張子が「mex22」となります。
「プロジェクト.mx22」をこの手順でエクスポートすると、「プロジェクト.mex22」というファイルが保存されるイメージです。

互換ファイルをインポートする

サブセットを新たなプロジェクトファイルとして使用する場合は以下手順で全てのアイテムを新規プロジェクトにインポートします。

  1. 新規のプロジェクトを作成
  2. ホーム→[チーム作業]→〔チームワークをインポートする/インポートデータを互換ファイルから]
  3. エクスポートした.mex22ファイルを指定
  4. インポートする文書とコードを選択(全て選択)

ここからは、既存のプロジェクトにインポートする手順を見てみます。上の2〜4の手順も以下スクリーンショットを参考にしてください。
以下のように文書「テレサ」とコード「主なトピック¥キャリア」だけがあり、1セグメントがコーディングされているプロジェクトにインポートします。

ホーム→[チーム作業]→〔チームワークをインポートする/インポートデータを互換ファイルから]


まず、互換ファイルを選択します。


先ほどエクスポートしたファイルを指定して[開く]。ここでは拡張子がmex22の互換ファイルだけが選択可能です。


インポートする文書を選択します。この例では、「テレサ」という文書がすでに存在しているので、インポートする際に「テレサ」を既存文書に統合するか、別の新規文書とするかを指定できます。


インポートするコードを選択します。既存のコードと同レベル・同名のコードは統合されます。それ以外は新規コードとしてインポートされます。画面では新規コードは緑で表示されています。


文書・コード以外でインポートするアイテムと、コード付きセグメントやサマリーで競合があった場合にどう扱うかを指定します。
競合の取り扱いは、例えば文書「テレサ」中で「キャリア」に割り当てられているセグメントの範囲が異なる場合の扱いをどのようにするか指定します。

  • より広い範囲を保持したい場合は「外側のセグメント境界線を使用する」
  • より重なっている箇所だけを保持したい場合は「内側のセグメントを使用する」
  • インポートするプロジェクト優先で、境界線上書きする
  • 既存のプロジェクト優先で、境界線を保持する

というように、食い違いがあった場合にどう扱うか、ユーザーが選択することになります。

指定を終えたら[インポートする]。


MAXQDAは念の為この時点でバックアップをとってくれます。


インポートが完了しました。


互換ファイルのエクスポートとインポートがどのように働くか、競合があった場合の扱いも含め、サンプルプロジェクトなどであらかじめ試してみると良いかもしれませんね。

参考: NVivoプロジェクトのコピーとエクスポート

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