質的研究のためのフォーカスグループ

質的研究のためのフォーカスグループ
ロザリン・バーバー 著
大橋靖史 監訳
藤野秀美、片山富美代、菊池和美、小林久子 訳
単行本: 256ページ
新曜社 
言語: 日本語
ISBN-10 ‏ : ‎ 4788518473
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4788518476
発売日:2024/6/5

書籍内容

マーケティングにおける手法として紹介されることが多かったフォーカスグループを、質的研究におけるデータ収集方法の柱の一つとして位置づけ、他の質的手法といかに組み合わせるか、フォーカスグループの強みをどう活用するかを理論と実践から解説。

SAGE 質的研究キット全巻完結!

質的研究法としてのフォーカスグループをどうやって行い、どのように分析するのか。
グループインタビューとしてフォーカスグループを研究に用いたい人に向け、非常に実際的・具体的な内容となっている。
サンプリング、文書化、司会進行の実際的な問題について懇切に解説するとともに、発話内容の分析に加え、発話行為の動的分析など、多様な分析法を紹介。
フォーカスグループの強みを活かし、実践的研究の新たな可能性を開く本。

本書帯より

目次

編者から(ウヴェ・フリック)
 「SAGE質的研究キット」の紹介
 質的研究とは何か
 質的研究をどのように行うか
 「SAGE質的研究キット」が扱う範囲

本書とその第2版について(ウヴェ・フリック)
謝 辞

1章 フォーカスグループの紹介
 本書のアウトライン
 先行研究とその持続的影響

2章 フォーカスグループの実際
 フォーカスグループの強み
 フォーカスグループの限界
 焦点となる主張と課題

3章 フォーカスグループの背景
 フォーカスグループの位置づけ─哲学と方法論の伝統
 どの質的伝統か
 学問における採用と適応

4章 研究デザイン
 混合研究法デザイン
 1対1インタビューとフォーカスグループのどちらを用いるかを決定する
 フォーカスグループを単発で行うか、繰り返し行うか
 電話会議とビデオ会議
 オンライン・フォーカスグループ
 質的方法を混合する
 トライアンギュレーション
 研究デザインの実用性

5章 サンプリング
 サンプリングの可能性を確認する
 質的サンプリングの原則
 グループ構成
 グループの数とサイズ
 既存のグループ
 比較の可能性を最大限に活かす
 フィールドに戻ることと2段階サンプリング

6章 データの生成
 トピックガイドを作成し使用する 
 刺激材料とエクササイズ
 司会者のスキル
 刺激材料の開発のためにフォーカスグループを用いる
 比較の視点で考え、分析を予測する

7章 倫理と契約
 フォーカスグループに参加することの影響 
 デブリーフィング
 特別な考慮事項と困難な課題

8章 フォーカスグループのデータを理解する
 暫定的なコーディング・フレームを生成する
 グラウンデッドセオリー
 コーディング・フレームのモデル化と改良
 継続的比較─グループ間およびグループ内の違い
 グループ間の類似─意外性を精査する
 リソースとしての個人的・専門的背景

9章 フォーカスグループを最大限に活かす
 相互作用とグループダイナミックスを上手に分析に活用する
 「共同分析者」としてのフォーカスグループ参加者
 複雑さを受け入れる
 理論と関わる
 ハイブリッド、または複合的アプローチ
 フォーカスグループ研究から得られた知見を提示し、活用する
 フォーカスグループで得られた知見の転用可能性
 おわりに

訳者あとがき / 用語解説 / 文 献 / 人名索引 / 事項索引

ボックス
 ボックス4.1 混合研究法の想像力に富んだ使用例
 ボックス5.1 人種差別事件の報告が少ない理由
 ボックス5.2 参加者と調査場所の選択
 ボックス5.3 「2 段階」サンプリングの例
 ボックス6.1 仮定の臨床ヴィネット
 ボックス6.2 カード・エクササイズの活用
 ボックス6.3 ランクづけエクササイズから先に進む 
 ボックス6.4 明確化を求める
 ボックス6.5 手がかりを拾い上げる
 ボックス6.6 フォーカスグループから派生した付加的なプローブ
 ボックス8.1 開発中のコーディング・フレーム
 ボックス8.2 一見ミニマリストなコーディング・フレーム
 ボックス8.3 葉酸研究(Barbour  et  al.,  2012) の分析グリッド 
 ボックス8.4 啓発的な類似の可能性を認識する
 ボックス8.5 データの不在を分析する
 ボックス9.1 「共同分析者」としてのフォーカスグループ参加者
 ボックス9.2 フォーカスグループの参加者は、一般的な言葉や概念を「問題化」する
 ボックス9.3 複雑さを探る ─ 例 A
 ボックス9.4 複雑さを探る ─ 例 B
 ボックス9.5 相互作用の文脈を研究する
 ボックス9.6 複雑なデータを理解するための、ハイブリッド・アプローチ
 ボックス9.7 提言のためにディスコース分析を用いる
 ボックス9.8 詳細な提言の例

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