The REFI-QDA Standard

QDAソフトウェア間の相互運用性向上を目指す

REFI-QDA Standardをご存じでしょうか。

QDAソフトウェア(またはCAQDAS)と呼ばれる質的データ分析ソフトウェアプログラム間でのインターオペラビリティ – 相互運用性のための規格、REF-QDA Standardをご存じでしょうか。

異なるソフトウェアを使うユーザー同士がコーディングなどの編集・加工をしたデータを交換し合えることを目的としたはオープン・スタンダード(公開標準)で、採用するソフトウェア数も増加中とのことです。

REFI – Rotterdam Exchange Format Initiative

REFIは、2016年9月にKWALON Conference:Reflecting on Future of QDA Software(*1)で発足し、8つのQDAソフトウェア企業(*2)のCEOが協力の意向を表明しました。その後、REFIはQDAソフトウェアのエキスパートユーザー/トレーナーのグループと、プロジェクト調整グループとして機能する標準化の専門家により構成されています。

日本でQDAソフトウェアと言うと、やはりインターフェイスが日本語化されているMAXQDAとNVivoをお使いの方が多いと思いますが、いずれも発足時のメンバーに名を連ねています。

*1: Erasmus University Rotterdam, The Netherlandsにて開催
*2: ATLAS.ti、Dedoose、f4analyse、MAXQDA、NVivo、QDAMiner、Quirkos、Transana

MAXQDA – NVivo間でプロジェクトファイルの交換を試してみました

MAXQDA、NVivoいずれも、プロジェクトファイルの保存(エクスポート)、やプロジェクトを開く際のファイル形式として「REFI-QDAプロジェクト(*.qdpx)」を選択することができます。

例:MAXQDA 2020 – [プロジェクトを開く]

例:NVivo 12 for Windows – [プロジェクトデータをエクスポート]

それぞれに特有の機能がありますので、REFI-QDAプロジェクト形式を経由した際に失われてしまう情報もあります。

簡単に試してみましたが、メモやリンクは失われてしまう部分が多い印象でした。また、例えばNVivoのケースはMAXQDAではコードとして読み込まれるので、双方での扱いを先に考えておく必要があるように思います。他にもMAXQDAのパラフレーズのようなNVivoにない機能で加えられた情報はNVivoでは当然失われます(逆も起こります)。MAXQDAの色彩や絵文字コードはどうなるかと思いましたが、NVivoでは色彩や絵文字の名前がノード名として使用されていました。

例:MAXQDAコードシステム

例:MAXQDAのプロジェクトファイルを、REFI-QDAプロジェクト形式を経由してNVivoで開いた際のノード

異なる機能を提供するソフトウェア同士ですので、全ての情報を保つことは将来的にも難しいと思います。とはいえ、コードとそれに対応するコンテンツ(MAXQDA:コードシステムとセグメント/NVivo:ノードとリファレンス)の関係を保ったままで共有できるだけでも、標準化の動きはユーザーにとっては利便性が高まると思います。

例えば、海外の研究者から受け取ったATLAS.tiのプロジェクトファイルを手元のNVivoの日本語インターフェイスで開けますし、何かの事情で使用するソフトウェアを変更する場合でも、データの多くの部分を継承していくことができます。

研究者それぞれが慣れたソフトウェアを使いつつ協業できるようになれば便利になりますね。

FEFI-QDA Standard に関する詳しい情報は、QDAsoftware.org(英語)をご覧ください。

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