NVivo Mac/Windowsの違い

質的研究、混合研究法を支援するNVivo。
WindowsとMacで使用できますが、機能にはまだ若干差があります。
NVivo MacとNVivo Windowsとの機能の違いなどを紹介する投稿2回目では、Macでは「使えない機能」を中心に紹介します。

プロジェクトファイルの変換と共有は、NVivo MacとNVivo Windowsでプロジェクトファイルを共有をご覧ください。

本記事の内容は2020年10月時点での NVivo Help (R1) Converting Projects between Windows and Mac および、筆者の使用体験に基づいています。機能やライセンスの提供方法など、将来変更される場合がありますのでご了承ください。

NVivo Macには「ない」機能

NVivo Helpには、Macに搭載されていないためプロジェクトファイル変換後に表示されない機能として以下がリストされています(ナビゲーションの表示順に並べなおしました)。これらは、NVivo Macファイルに変換すると「表示されない」が「消去されるわけではない」ので、NVivo Windowsファイルに再度変換すれば元の通りに表示、利用できます。

  • [コーディング]
    • コード: 感情コード、関係コード
    • ノート: 参照リンク(※要注意)、フレームワーク行列
    • セット: 動的セット
  • [探索]
    • クエリ: 複合クエリ、グループクエリ
    • ビジュアル化: プロジェクトマップ
    • レポート
  • 分析
    • クラスター分析
    • ソーシャルネットワーク分析
フレームワーク行列
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要注意: 参照リンクの取り扱い

上記の中で、参照リンクは特に注意が必要です。
参照リンク(参考:プロジェクトアイテム同士を自在に紐づけ – 参照リンク)を含むドキュメントやメモをNVivo Macで編集すると、リンクが失われます。一度失われてしまうと、再度NVivo Windowsに変換しても利用できませんのでご注意ください。

参照リンクの使い方として、ご自分の考えなどを記録するメモからその根拠となる他アイテムへのリンクをする場合が多いように思います。メモは作業中いつでも編集する可能性があるため、もし、Windows/Mac間でプロジェクトファイルをやり取りするのであれば:

  • Windowsユーザーも参照リンクは使用しない
  • Macユーザーが編集してはいけないアイテムを明示する(「Macでの編集不可」とアイテム名につけるなど)

等の対策が必要です。

プロジェクトファイル変換時の注意点

また、プロジェクトファイルの変換にあたっては、以下についてもご注意ください。

  • プロジェクトファイルサイズの上限(Mac: 512GB / Windows: 10GB)が異なるため、10GBを超えるMacプロジェクトファイルは、Windowsへは変換できないことがあります。(Macプロジェクトファイル内のメディアファイルを外部ソースとすることで変換できる場合もあります)
  • 手動でのリンク修正が必要な場合があります。
    • プロジェクト外のファイルへのリンクを含む外部ソース
    • プロジェクト外の音声・動画ファイルへのリンク
    • ファイルへのハイパーリンク
  • 画像や複雑な表が埋め込まれたドキュメントがMacでは正しく開かない場合があるので、PDFで扱うことをお勧めします。
  • コード比較(コーディング比較)クエリの結果が異なる場合があります。以下のような違いによるもので、例えばすべてのファイル、全てのコードを対象とした場合などに起こります。
    • Windowsでは、画像、音声、動画ファイルのコーディングを含める/ Macでは含められない
    • 感情コードの有無
  • WindowsとMacでのスペースの取り扱いの違いにより、リファレンスのコーディング・カバレッジがわずかに異なる場合があります。
    例:以下の画像は同じプロジェクトのコードのリファレンスをMacとWindowsで表示したものです。一番上のリファレンスのカバレッジがMacでは5.25%、Windowsでは4.82%となっています。
Mac: リファレンス表示
Windows: リファレンス表示

その他、使用していて気づいた機能差

最後に、筆者が使用していて不便に感じた違いを挙げていきます。

  • データの一部を選択して新規コードにコーディングする際の操作(参考:ドラッグ&ドロッ)が、Windowsの方が便利に感じます。Macでは、コードリスト余白へのドラッグ&ドロップ→新規ノード作成が使用できません。
  • 自動コーディング: [テーマを特定]、[感情を特定]、[既存のコーディングパターンを使用して自動コーディング]は、Macでは使用できません。
  • リファレンス表示やデータセット表示が異なります。アンケートデータやTwitterデータをコーディングする際に便利な[フォーム]表示がMacではできません。(参考:Twitterデータのキャプチャとインポート
  • マトリックスコーディング/クロス集計クエリにセットが使えないため、グループ間の比較がしづらい時があります。

おそらく他にも細かい違いはあると思います。
一方、Macの方がクロス表などの出力がきれいで見やすいという利点もあります。NVivo Macを使いこんでいくと、他にも利点に気づくかもしれません。

Mac: マトリックスコーディングクエリの出力
チャートが出力されない、転置ができないという不便な点もあるが、きれいで見やすい
Windows: マトリックスコーディングクエリの出力

また、インターフェイスを日本語化した際の用語がWindows/Mac間で統一されていない場合がありますが、大きな違いではなく使用に影響はないと思います。

Mac(右)とWindows(左)で日本語メニューの表記が異なる例

自分に必要な機能、好みなど考慮し、うまく使い分けるかいずれかを選択するか、より良い方法をお選びいただく参考になれば幸いです。

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