定本 M-GTA

定本 M-GTA
実践の理論化をめざす質的研究方法論

木下 康仁 著
A5判 : 400ページ
出版社: 医学書院
言語: 日本語
978-4-260-04284-0
発売日:2020/10/12

書籍内容

M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)の決定版

質的研究方法論の1つとして広く知られるM-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)の決定版。M-GTAの基本的な考え方と研究方法のプロセスを具体的かつ詳細に解説し、理論面と実践面から強力にサポート。看護系大学院生や看護研究者などを中心にM-GTAのさらなる浸透を図るとともに、質的研究の未来を見据えながら、理論と実践と研究の循環の実現に向けた研究成果の産出をめざす。

目次

はじめに

Part 1 M-GTAの方法論的体系性
 Chapter 1 グラウンデッド・セオリー・アプローチの基本特性
  1-1 オリジナル版GTAから継承する分析上の用語とM-GTAでの活用方法
  1-2 オリジナル版GTAから批判的に継承する点
 Chapter 2 M-GTAの方法論的基盤
  2-1 オリジナル版GTAの課題点への対応
  2-2 M-GTAにおける三位相のインターラクティブ性
  2-3 M-GTAが導入する分析上の用語

Part 2 M-GTAの分析方法
 Chapter 3 分析テーマと分析焦点者の設定方法

  3-1 分析テーマの設定方法
  3-2 分析焦点者の設定方法
 Chapter 4 概念生成と分析ワークシートの活用方法
  4-1 分析プロセスの全体像と例示研究の紹介
  4-2 概念-指示モデル
  4-3 分析ワークシートの活用方法
  4-4 概念生成の分析手順
  4-5 分析ワークシートの各欄の活用方法
 Chapter 5 概念比較からカテゴリーの生成方法
  5-1 概念の相互比較
  5-2 カテゴリーの生成
 Chapter 6 結果図とストーリーラインの作成方法および執筆時の留意点
  6-1 なぜ,中心的(コア)カテゴリーとするか
  6-2 分析結果を確定する
  6-3 結果図の作成方法
  6-4 ストーリーラインの作成方法
  6-5 論文執筆での留意点
 Chapter 7 なぜ,プロセスなのか
  7-1 分析テーマに「プロセス」の表現を入れる意味
  7-2 分析結果としてのグラウンデッド・セオリーとプロセスの関係
  7-3 現象のもつプロセス性とM-GTAは時系列分析ではないことの意味
  7-4 プロセスとしての理論
  7-5 分析プロセスの明示化
  7-6 プロセスについての補足

Part 3 M-GTAのグループワークでの学習方法
 Chapter 8 グループワークでの学習の進め方

  8-1 グループの編成と学習期間
  8-2 基礎学習:ウォーミングアップ編
  8-3 基礎学習:文献検討
  8-4 データに馴染む
  8-5 分析を始める:分析テーマと分析焦点者
  8-6 分析ワークシートを使った概念生成
  8-7 概念の相互比較からカテゴリー生成とその先の分析へ
  8-8 「1人」のデータではなく,「1人分」のデータの分析であること
  8-9 グループワークが短期の場合の方法
  8-10 分析実習の経験から得られるもの:グループ学習参加者の声より
  8-11 ファシリテーターとして参加する場合
 Chapter 9 グループワークと機能としてのスーパービジョン
  9-1 経験的学習の必要性と基本的考え方
  9-2 グループワークによる学びの3ステップ
  9-3 研究方法の3つの方向性

Part 4 質的研究とM-GTA
 Chapter 10 質的データのコーディングと記述のスタイル

  10-1 GTAのコーディング方法の特性
  10-2 インタビューデータの一般的なコーディング
  10-3 M-GTAのコーディング特性
  10-4 コーディングと文脈性の理解の仕方
  10-5 M-GTAを事例研究に用いる
  10-6 他の質的研究法とコーディングの関係:
        現象学的アプローチとナラティブ・アプローチの場合
  10-7 質的データと分析法の関係:記述による研究
        ─エスノグラフィーを中心に
  10-8 M-GTAにおけるデータと分析法の関係:概念化の研究
  10-9 「記述による研究」と「概念化の研究」の比較
 Chapter 11 M-GTAにおける理論と実践の関係:行為文脈設定型実装研究へ
  11-1 質的研究における理論と実践
  11-2 実践と理論の相互的研究展開:実践と理論のらせん的三重サイクル論
 Chapter 12 質的研究論文の査読基準作成と評価類型・改善方向の試案
  12-1 質的研究における査読の現状
  12-2 査読はコミュニケーション
  12-3 質的研究論文の査読に関連する現状の課題
  12-4 質的研究論文の査読ガイドライン
  12-5 査読ガイドラインに基づく論文の「評価類型と改善方向」
  12-6 評価の4類型と改善方向の実際
  12-7 最終評価をどこで下すのか:査読プロセスの今後の課題も含めて
 Chapter 13 批判的実在論とM-GTA
  13-1 質的研究の定義問題
  13-2 批判的実在論とM-GTAの関係

あとがき
文献
索引

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