ケアの実践とは何か: 現象学からの質的研究アプローチ

ケアの実践とは何か
現象学からの質的研究アプローチ
西村ユミ、榊原哲也 編著
四六版 288頁
出版社: ナカニシヤ出版
言語: 日本語
ISBN 978-4-779512-00-1
発売日: 2017/9/30

書籍内容

看護、ドナー、助産師、統合失調症、養護教諭、リハビリ――広く多様な「ケア」の豊かな営みの諸相を明らかにする。

――自身がかかわった妊婦や患者の存在、そしてそこでの自身の実践を、彼らは問い続ける。「私の実践は、言葉かけは、相手にとっていかなる意味をもっていたのか」と。その問いは、実践を続ければ続けるほど、その実践自体のなかで繰り返し彼らに浮かび上がり、それゆえその意味を探究せざるをえなくなる。実践自体に問いかけられ自らの実践を捉え直す契機となるのだ。(「本文」より)。

目次

第一章 現象学と現象学的研究(榊原哲也)
一 はじめに
二 疾病と病い
三 自然科学(医学)的なものの見方はどのような特徴をもつのか
四 体験(意味経験)と看護ケア
五 「意味」はどこから・いかにして生じてくるのか――「現象学」という哲学
六 フッサール――意識の志向性と態度
七 ハイデガー――現存在の気遣い
八 メルロ=ポンティ――身体的志向性
九 さまざまな現象学的看護研究
一〇 方法は「現象」そのものの方から

第二章 ケアの実践を記述すること/自らの視点に立ち帰ること(西村ユミ)
一 実践を問い直すこと
二 問いが生まれる
三 問いに応じる方法
四 個別の経験を捉え直す意義

第三章 ドナーをめぐる関係性の変容(一宮茂子)
――生さぬ仲の生体肝移植
一 はじめに
二 先行研究から見た本研究の位置づけ
三 対象と方法
四 ドナーはどのようにして決まっていったのか
五 ドナーの経験がその後の生の営みに及ぼした影響
六 結びにかえて
七 本研究の意義と限界

第四章 助産師が語る「忘れることができない」ケアの経験(戸田千枝)
一 はじめに
二 方 法
三 結 果
四 考 察
五 まとめ

第五章 看護師の実践を支える経験(籔内佳子)
――経験を積んだ看護師の語りを通して
一 看護師の職業継続と離職
二 長年経験を積んだ看護師の語り
三 看護師実践を支える構造
四 患者の存在に支えられる看護実践へ

第六章 統合失調症療養者の子をもつ親の体験(田野中恭子)
――親自身が必要とする支援に関する一考察
一 はじめに
二 方 法
三 結 果
四 考 察
五 本研究の限界と課題

第七章 養護教諭のまなざし(大西淳子)
――メルロ=ポンティの身体論を手がかりに
一 はじめに
二 養護教諭と保健室の歴史
三 研究の視点としての身体論
四 養護教諭の経験:語らないAさん
五 結 び――養護教諭のまなざし

第八章 看護の人間学(尾﨑雅子)
――鈴木大拙の思想を通して
一 今、看護を見直す意味
二 ある老女との出会い
三 看護のうちに潜む矛盾
四 存在していること――虚と実
五 生きていること
六 共にある関係
七 看護再考――新たな看護のあり方に向けて

第九章 リハビリ看護試論(村井みや子)
――生の意味を問う
一 はじめに
二 看護経験から見た医療の変遷
三 中途障害者の事例を通して生の意味を問う――中年男性の障害から「生」を考える
四 リハビリ看護の考察
五 おわりに

第十章 看護実践の構造(西村ユミ・榊原哲也)
――フッサールの志向性概念との対話
一 はじめに
二 困ったけど困ってしまわない看護実践
三 「意志」と「行為」の現象学――フッサールに即して
四 看護実践の現象学
五 「私/私たちはできる」の身体化
六 看護実践からの現象学に向けて
七 おわりに

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