質的データにおけるテキストマイニングを併用した混合分析法の有用性

─ 新人看護師が「現在の職場を去りたいと思った理由」に関する自由回答文の解析例から ─

日本看護研究学会雑誌 2018 年 41 巻 4 号 p. 4_685-4_700
著者:今井 多樹子, 高瀬 美由紀, 佐藤 健一


論文内容

質的データにおけるテキストマイニング(TM)を併用した混合分析法の有用性を明らかにするために,新人看護師の「現在の職場を去りたいと思った理由」に関する自由回答文を定量的なTMと定性的な質的帰納的分析でおのおの解析し,共通点と相違点を検討した。調査は自記式質問紙法とし,39名の新人看護師から回答を得た。TMでは【人命にかかわる責任の重さ】など5つの構成概念が判明した。質的帰納的分析では【職務における人間関係の悩み・悪さ】など6つの構成概念が判明した。TMと質的帰納的分析はともに新人看護師の離職要因として人間関係に関する内容をとらえるなど,研究上ターゲットになるトピックを抽出できることが判明した。両手法における概念の構成法の違いから,TMと質的帰納的分析の分析結果に差が生じることも判明した。TMと質的帰納的分析を用いて互いの弱みを補完し,強みを生かす混合分析法の有用性が示唆された。

掲載元:質的データにおけるテキストマイニングを併用した混合分析法の有用性

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