テーマ分析

テーマ分析: 実践ガイド
V.ブラウン、V.クラーク 著
溝呂木佐季 訳
単行本: 368ページ
新曜社
言語: 日本語
ISBN-10 : 4788518953
ISBN-13 : 978-4788518957
発売日:2025/8/12
書籍内容
引用が25万を超えるテーマ分析の論文で広く知られる著者たちによるガイド本。
心理学やコミュニケーション学、社会学など幅広い社会科学で活用されるテーマ分析を背景の理論まで踏み込んで理解し、実践できるよう導いてくれる、突出して優れた教科書。
リフレクシブ・テーマ分析は、インタビューやアンケート、新聞記事、SNSの投稿等幅広いデータを扱うことができ、心理学や社会科学のみならず、マーケットリサーチや政策立案にも活用できる大きな可能性を秘めている。
卒論から博士論文、査読論文まで、実践的に研究で使えるよう、このメソッドを段階を追って丁寧に説明。さらに基礎となる思考の枠組みや、「解釈」とは何か、優れたリフレクシブ・テーマ分析とは何か、といった重要な論点について深く掘り下げいく。
原題「THEMATIC ANALYSIS : A PRACTICAL GUIDE」
目次
冒険の前に……
著者と寄稿者について
謝辞
舞台設定 テーマ分析とは─実践ガイドの役立て方と読み方
『テーマ分析──実践ガイド』の舞台設定
パン作り、冒険、地図─これはレシピ本? ガイドブック? それとも?
言葉の使い方を考え、読み手を想像する
これが私たちのマッピング……
実践を通して学ぶ──実践第一のアプローチでテーマ分析を学ぶ
この本は誰向け?
二部構成
第Ⅰ部 踏み出そう!──リフレクシブ・テーマ分析の実践
第1章 出発はもうすぐ──テーマ分析という冒険の準備
テーマ分析を紹介しましょう
リフレクシブ・テーマ分析とは?
リフレクシブ・テーマ分析を簡単に概説できませんか?
リフレクシブTA(THEMATIC ANALYSIS)のための質的感性
でもまだあります──リフレクシブ・テーマ分析のバリエーション
リフレクシブ・テーマ分析はガイドラインとなりますが、
それはルールではなく、明確なプロセスです
テーマ分析の旅への心構え─不確実性や不快感に慣れましょう
リフレクシブ・テーマ分析の実践の核心は主観性
リフレクシビティ──冒険の最も大切な友人
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
分析の前に、ちょっとデザインの幕間を
デザイン思考をさらに深めるための参考文献
第2章 地形を把握する─実践例の紹介と熟知する作業
今日がその日!
リフレクシブTAのプロセス
実践例データセットの紹介と背景説明
熟知する作業(第1フェーズ)
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
第3章 詳細に探索する──コーディング
コーディングの準備
コーディングは体系的なプロセス
コーディングは有機的、発展的、主観的
データ・コーディングの帰納的方向性と演繹的方向性
意味論的コーディングから潜在的コーディングまで
リフレクシブTAにおけるコードとコード・ラベルの一般的なガイドライン
コーディングの実践(第2フェーズ)
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
第4章 ルートを見つけ、見失い、再び見つける──テーマの発展
重要概念の理解──テーマと呼ばれる、これは何?
最初のテーマを生成する(第3フェーズ)
正直、少し悩んでいます──TAプロセスにおける不安への対処
テーマの発展とレビュー(第4フェーズ)
精度が重要──テーマの練り上げ、定義、名づけ(第5フェーズ)
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
第5章 家に帰って冒険を伝える──テーマ分析の執筆
分析はどう書くかが重要(第6フェーズ)
ストーリーの舞台を設定する(序論または文献レビュー)
冒険にどうアプローチしたのかを説明する
(メソッド/メソドロジーのセクション)
あなたの分析ストーリーを語る(結果と考察のセクション)
結論を導く
執筆における内省と評価
ストーリーをうまく伝える──編集の価値
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
第Ⅱ部 優れたリフレクシブ・テーマ分析のために掘り下げよう
──理論、解釈、質について
第6章 そんなに怖くない理論の章
──リフレクシブ・テーマ分析の概念的位置づけ
理論の伴わないTAなど存在しない!
質的研究の多様性──大切な概念的区分の再検討
理論を使いこなそう!
言語とは何をするものなのか?──言語に関する三つの理論
〇〇論の紹介──大きくて怖い理論というもの
現実についての理論──存在論
知識についての理論──認識論
混乱に立ち戻る……ビッグ・セオリーは係争地
実際に使われている理論──TAの例
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
第7章 だから何?──リフレクシブ・テーマ分析における解釈の大切さ
テーマ発展における解釈
解釈とは何?
解釈は、正当化できるものでなければならない!
リフレクシブTAのさまざまな解釈のモード
演繹的方向性──既存の理論的概念を用いて解釈する
より広い文脈の中にデータを位置づける
解釈における悪影響を最小限に──倫理、政治性、表象
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
第8章 幸せな大家族?
──リフレクシブ・テーマ分析とそのメソッドのきょうだい的分析法の類似・相違点
「テーマ分析」の簡潔で部分的な歴史
TAアプローチのバリエーション──核となる概念
TA家族の主なメンバーのマッピング──三分類クラスタリング
コーディング信頼性アプローチ─スモールqテーマ分析
TAのコードブック・アプローチ(ミディアムQ)
では、リフレクシブTAはTAの最良のアプローチ?
でも待って……まだある? TAの他のアプローチ
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
第9章 自分の家を自分で整える
──質を保つために、優れたリフレクシブ・テーマ分析とは何か理解する
何をやったの?──TAの例でよく見かける問題
あなたのテーマ分析研究の質を保証するための戦略
出版プロセスにおいて質を管理する
一般的な質的研究の質の基準や戦略は TA 研究に役立つ?
章のまとめ
もっと学びたいときは……?
学生読者向けの演習
うまくいきますように! リフレクシブTAの世界で大胆な冒険者になる
用語集
訳者あとがき
引用文献 / 人名索引 / 事項索引