啓発された眼: 教育的鑑識眼と教育批評

啓発された眼
教育的鑑識眼と教育批評

エリオット・W・アイスナー 著
池田吏志 小松佳代子 訳

単行本: 512ページ
新曜社 
言語: 日本語
ISBN-10 ‏ : ‎ 4788518597
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4788518599
発売日:2024/10/10

書籍内容

教える、学ぶという行為や経験を捉えるためには、複雑で微妙な質をきめ細かく識別する「啓発された眼」をもたなければならない。アートに基づく研究を展開し、教育の営みの複雑さを捉えるための多元的な知の生成を提唱したアイスナーの神髄を知る本。
「アートベースリサーチ」に先駆ける「鑑識眼」を提唱する。

* 美術教育、アートに基づく質的研究で知られるアイスナーの未邦訳だった待望の書

目次

感謝のことば
凡例
序章
目的・課題・概要 

第1章 質的思考と人間理解
 現在の状況 
 相互生成と達成としての経験 
 質的探究の特徴 

第2章 何が研究を質的にするのか
 経験の優位性 
 意味を記述することと表現すること 
 質的研究の六つの特徴 

第3章 質的研究と評価における客観性と主観性
 リアルなものの追求 
 独我論とバベルの塔について 
 主観性の美徳と多面的な視点 
 道具としての自己 
 もう一つの見方─相互生成的な説明 
 相互生成への転換 
 相互生成の根拠の評価規準 

第4章 教育的鑑識眼 
 鑑識眼の意味 
 前提知識の有用性 
 先行知識というくびき 
 認識的な見取り 
 教育の目利きが考えること 
 学校教育の主要な次元 
 鑑識眼のためのデータの源泉 

第5章 教育批評
 批評の意味 
 教育批評の構造 
 描写 
 どこに駐車するのか(ペギー・ハグバーグ)
 解釈 
 評価 
 主題生成 

第6章 教育批評における妥当性
 知っているということをどうやって知るのか 
 構造的裏づけ 
 合意による確認 
 言及の妥当性 
 教育批評とその読者 

第7章 教育批評を詳しく見る
 批評の批評 
 教育批評の提示・比較・検討 
 教室の中の教育長官(エリオット・W・アイスナー) 
 ベネット教育長官の指導(ロジャー・W・シュイ)
 外の世界/学校世界セント・ジェームズ(ジェームズ・クンツ)

第8章 質的探究における方法の意味
 判断の優先順位  
 アクセス─許可と維持 
 何を探すか─事前に設定した焦点と生成する焦点 
 観察調査票の功罪 
 データの源泉と種類 
 コーディング・整理・成文化 
 焦点の選択とプロットの構築 
 期間はどれくらいの長さがあれば十分なのか 
 補遺の活用 

第9章 質的事例研究には教訓があるか
 標準化されたイメージ 
 一般化するとはどのような意味か 
 一般化の内容 
 一般化の適用方法 
 一般化の情報源 
 誰が一般化するのか   
 一般化はどこに焦点を当てるか 
 質的研究における「知の蓄積」について 

第10章 質的研究における倫理的緊張、論争、ジレンマ
 正しい行動を知る 
 インフォームド・コンセントによる同意は可能か 
 守秘義務 
 研究対象者は手を引くことができるのか 
 実際に起こったいくつかの過ち 
 要約 

第11章 未来を見据えて─質的研究者の育成
 未来を発明する 
 質的研究者の育成 
 人はどのようにして目利きになるのか 
 見取ったことを表象する 
 理論を利用し生成するスキル   
 認識論の前提条件の理解 
 研究プロポーザルの作成 
 教科の理解と価値指向 
 エピローグ 

解説にかえて─アートベース・リサーチの先駆としての『啓発された眼』 
あとがき 
文献 / 事項索引 / 人名索引 

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