ケースで学ぶ犯罪心理学

ケースで学ぶ犯罪心理学

越智 啓太

単行本(ソフトカバー) 184頁
出版社: 北大路書房
言語: 日本語
ISBN 978-4-7628-2815-7
発売日: 2013/9/20

書籍内容

「切り裂きジャック事件」や「地下鉄サリン事件」など実際の事件を豊富に取り上げた、コンパクトな入門書!

殺人、テロ、性犯罪、ストーキング、DV、放火など、事例(罪種)ごとに犯罪心理学の知見を紹介。捜査心理学や犯罪者行動分析を中心としたコンパクトな入門書である。実際の事件(例:「切り裂きジャック事件」「地下鉄サリン事件」等)の解説が70余り盛り込まれており、臨場感そのままに犯罪心理学を学ぶことができる。

重版情報 8刷 – 出来予定日:2020年6月18日

目次

はじめに

第1章 連続殺人
 1.連続殺人の定義
 2.FBIによるプロファイリング研究のはじまり
 3.秩序型連続殺人者と無秩序型連続殺人者
 4.連続殺人犯人の動機によるタイポロジー(類型論)
  (1)幻覚型(Visionary)
    リチャード・チェイス事件/青物横丁医師殺害事件
  (2)使命型(mission)
    マニュエル・パラド事件
  (3)快楽型(hedonistic)
    ジョン・ウェイン・ゲイシー事件/小野悦男事件
  (4)パワーコントロール型(power/control)
    テッド・バンディ事件/自殺サイト連続殺人事件
 5.連続殺人におけるイマジネーションの役割
 ★連続殺人のまとめと設問

第2章 女性による連続殺人
 1.女性による連続殺人
 2.女性の連続殺人犯にみられる類型
  (1)黒い未亡人型連続殺人
    福岡スナックママ連続保険金殺人事件/
    木嶋佳苗事件/佐賀・長崎連続保険金殺 人事件
  (2)死の天使型連続殺人
    ジニーン・ジョーンズ事件/ビバリー・アリット事件
  (3)代理によるミュンヒハウゼン症候群
    ジョージ・グレゴリーのケース/京都のミュンヒハウゼン症候群事件
 ★女性の連続殺人のまとめと設問

第3章 大量殺人
 1.大量殺人(mass murder)の定義
 2.大量殺人犯人の分類
  (1)無差別大量殺傷
    バージニア工科大学銃乱射事件/パトリック・パーディー事件/
           下関大量殺傷事件/都井睦雄による津山30人殺し
  (2)犯罪型大量殺傷
    練馬一家5人殺害事件/宇都宮宝石店強盗放火殺人事件
  (3)家族対象大量殺傷
    つくば母子殺害事件
  (4)精神疾患・薬物中毒による大量殺傷
    深川通り魔事件/デイル・ネルソン事件
 ★大量殺人のまとめと設問

第4章 テロリズム
 1.テロリズムの定義
 2.テロリズムの分類
  (1)左翼テロリズム
    連合赤軍リンチ殺人事件/日本赤軍テルアビブ空港銃乱射事件
  (2)右翼テロリズム
    山口二矢による浅沼委員長殺害事件
  (3)宗教テロリズム
    ハトシェプスト女王葬祭殿における外国人殺傷事件
  (4)新興宗教におけるテロ類似行為
    オウム真理教地下鉄サリン事件/新興宗教による
    サラダバー毒素まき散らし事件/
    ブランチ・ダビディアン事件(ウェイコ事件)
  (5)個人的思想に基づくテロ行為
    ティモシー・マクベイによるテロ事件
  (6)エコテロリズム
    シーシェパード
 3.テロの動向
 ★テロリズムのまとめと設問

第5章 子どもに対する性犯罪
 1.子どもに対する性犯罪の定義と現状
    新潟県村上市の女子中学生連れ回し事件/
    多摩地区ほか少女対象広域レイプ事件
 2.子どもに対する性犯罪者の特徴
    仙台女児連続レイプ事件/大阪連続女児レイプ事件
 3.子どもに対する性犯罪者の分類
  (1)固執型ペドフィリア
  (2)退行型ペドフィリア
  (3)搾取型ペドフィリア
  (4)サディスティック型ペドフィリア
    奈良小1女児殺害事件
 4.子どもに対する性犯罪の原因
 5.子どもに対する性犯罪者の矯正手法
 6.子どもに対する性犯罪者からの防犯
  (1)子どもの側に介入する方法
  (2)環境に対する介入
    唾くれおじさんの検挙/格闘技教室を偽装した子どもに対する性犯罪
  (3)社会的な防犯手法
    メーガン事件とメーガン法の成立/住民基本台帳を
    用いた連続レイプ事件
 ★子どもに対する性犯罪のまとめと設問

第6章 レイプ
 1.レイプの定義
 2.レイプ犯人の行動パターン
  (1)ストレス対処の失敗とレイプ
  (2)レイプ犯の地理的行動パターン
 3.レイプ犯人の分類
  (1)怒り報復型レイプ犯
  (2)搾取型レイプ犯
  (3)補償型レイプ犯
  (4)サディスティック型レイプ犯
    大久保清事件
 4.テーマ分析によるレイプ犯の分類
  (1)親密性(intimacy)
  (2)暴力性(aggression)
  (3)性愛性(sexuality)
  (4)犯罪性(criminality)
  (5)非人間性(impersonal)
    北海道・東京連続少女監禁(監禁王子)事件/
    電車内におけるレイプ犯罪と沈黙する傍観者
 5.大江らによる少年の性犯罪者の分類
  (1)反社会的衝動的群
  (2)非社会的性固執群
  (3)一過的潜伏群
 6.レイプ神話とレイプに関する偏見
 ★レイプのまとめと設問

第7章 ストーキング
 1.ストーキングとは何か
    レベッカ・シェイファー殺害事件/
    リチャード・ファーレイ事件
 2.ストーカー規制法
    逗子ストーカー殺人事件
 3.ストーカーの特徴
 4.ストーカーの分類
  (1)拒絶型
    桶川女子大生ストーカー殺人事件
  (2)憎悪型
    秘書を追い回した憎悪型ストーカー事件/
    栃木隣人トラブル殺人事件
  (3)親密希求型
    デビッド・レターマン ストーカー事件/
    藤田博さん宅ストーカー殺人事件
  (4)無資格型
    耳かきショップ店員ストーカー殺人事件
  (5)捕食型
  (6)その他のタイプ
    モニカ・セレシュのストーキング傷害事件
 5.ストーカーの危険性の推定
 ★ストーカーのまとめと設問

第8章 ドメスティックバイオレンス
 1.ドメスティックバイオレンス,デートバイオレンスの定義
    サーマン事件とDV取り締まりの積極化
 2.ドメスティックバイオレンスの分類
  (1)男性優位思想型
  (2)補償的暴力型
  (3)心理的支配型
  (4)不安定型
 3.ドメスティックバイオレンスのメカニズム
  (1)ドメスティックバイオレンスのサイクル
  (2)合理化
 ★ドメスティックバイオレンスのまとめと設問

第9章 放火
 1.放火の定義と特徴
 2.放火犯の分類
  (1)性的興奮を得るための放火
  (2)英雄志向による放火
    英雄志向による放火事件
  (3)復讐のための放火
    新宿西口バス放火事件
  (4)うっぷん晴らしのための放火
    復讐およびうっぷん晴らしのための放火事件/
    性的目的の不達成のための放火
  (5)他の犯罪の隠蔽のための放火
    柴又上智大学生殺人放火事件
  (6)利得のための放火
    夕張保険金対象放火大量殺人事件
  (7)テロ行為による放火
    自民党本部放火事件
  (8)組織犯罪と関連した放火
 3.子どもによる放火
  (1)好奇心タイプ
  (2)クライシスタイプ(クライ・フォー・ヘルプタイプ)
    宝塚市放火殺人事件
  (3)バンダリズム・非行タイプ
  (4)逃避タイプ
    中学校・高校に対する放火事件
  (5)病理タイプ
 ★放火のまとめと設問

第10章 プロファイリング
 1.プロファイリングの誕生
    切り裂きジャック事件/マッド・ボンバー事件/
    ボストン絞殺魔事件
 2.FBI方式のプロファイリング
 3.FBI方式のプロファイリングの展開と限界
 4.リバプール方式のプロファイリング
  (1)リバプール方式のプロファイリングとは
  (2)リバプール式プロファイリングの例
    ロンドンの鉄道レイプ犯とデビット・カンターによるプロファイリング
 5.地理的プロファイリング
  (1)犯人の居住範囲の推定
  (2)犯人の居住地点の推定
    ワシントン・ベルトウェイ連続狙撃事件と犯人の
    居住地/ヨークシャーリッパー連続殺人事件と犯
    人の居住地
  (3)バッファーゾーン
  (4)次の犯行地点の予測
 6.日本警察へのプロファイリングの導入
    神戸連続児童殺傷事件
 ★プロファイリングのまとめと設問

第11章 虚偽検出
 1.トリックを使った虚偽検出
    犯人を見つけるための古典的な方法:真実の山羊
 2.ノンバーバル行動からの虚偽検出
 3.表情の偽装の見破り
 4.連想検査を使用した虚偽検出
 5.末梢神経系反応を利用した虚偽検出
  (1)生理学的虚偽検出の歴史
  (2)コントロール質問法
  (3)隠蔽情報検査(CIT)
  (4)ポリグラフ検査における「反応」とは
  (5)CQTによるポリグラフ検査の正確性
  (6)CITによるポリグラフ検査の正確性
 6.日本の警察におけるポリグラフ検査の実務
  (1)ポリグラフ検査の実務の実際
  (2)誤ったポリグラフ検査の実施法
 7.中枢神経系反応を利用した虚偽検出
  (1)事象関連電位とは
  (2)事象関連電位を用いた虚偽検出
  (3)fMRIを使用した虚偽検出
 ★虚偽検出のまとめと設問

第12章 目撃証言
 1.事後情報効果
  (1)イノセンスプロジェクトと目撃証言の誤り
  (2)事後情報効果
  (3)フォールスメモリー
 2.子ども・高齢者の目撃証言
  (1)子どもの目撃証言
    甲山事件裁判と子どもの証言
  (2)高齢者の目撃証言
 3.面割りと面通し
  (1)似顔絵とモンタージュ写真
  (2)手配写真
    時効直前に検挙された福田和子/
    市橋達也 リンゼイさん殺害事件
  (3)面割りと面通し
 4.目撃証言の鑑定
    自民党本部放火事件におけるフィールド実験鑑定
 ★目撃証言のまとめと設問

付 章 映画で学ぶ犯罪心理学
 1.連続殺人
 2.大量殺人
 3.テロリスト
 4.ストーカー
 5.性犯罪
 6.日本の警察の組織と捜査活動
 ★まとめ

■コラム
日本における殺人事件のタイプ
なぜテロに屈してはいけないのか
ポルノグラフィと性犯罪の関係
ドメスティックバイオレンスと男性の嫉妬
ドメスティックバイオレンスにおける反復思考
ユングによる連想検査を用いた窃盗犯人の発見事例
心理試験
面割りと裁判所の立場

引用文献・参考文献
人名索引
事項索引

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